突然のエラーに悩むあなたへ
朝一番で電源を入れた途端に青い画面が表示され、仕事用ノートパソコンがまったく起動しない。
再起動を繰り返しても状況は改善せず、表示されたメッセージには「システムファイルが破損しています」とだけ書かれている。
こうしたトラブルは誰にでも起こり得ますが、慌てず正しい手順でシステムファイルチェックを行うことで多くのケースは解決できます。
本記事ではWindowsパソコンを中心に、Macユーザーも参考になる基礎知識と最新の修復手順をまとめました。
データを失わずにエラーを解消したい方はぜひ最後までご覧ください。
システムファイルチェックとは何か
システムファイルチェックとは、OSを構成する重要なファイルの整合性を確認し、破損や欠損を自動で修復するプロセスを指します。
WindowsではSFCコマンドやDISMコマンド、さらにはディスクの物理的なエラーを確認するchkdskが代表例です。
Macの場合、ターミナルからfsckを実行したり、ディスクユーティリティの「First Aid」を使う方法が相当します。
2024年1月のMicrosoft公式ブログによれば、Windows 11ではSFCとDISMを組み合わせることで従来比1.3倍の修復成功率が報告されています。
システムファイルが破損する主な原因
原因を把握しておくと再発防止につながります。
1. 突然の強制終了や電源断
ファイル書き込み中に電源が落ちると情報が不完全な状態で保存され、破損を招きます。
2. 不良セクタやSSDの寿命
ストレージの物理障害は論理的なシステムファイルにも影響し、エラーが連鎖的に発生します。
3. マルウェア・ウイルス感染
不正プログラムがシステムファイルを書き換え、起動不能な状態に追い込むケースがあります。
4. アップデートの失敗
更新プログラム適用中にネットワークが不安定になると更新ファイルが壊れ、整合性が取れなくなります。
チェック前に必ず行うバックアップ
システムファイルチェックそのものは破損したファイルを修復する安全な方法ですが、処理途中でハードウェアに潜在的な障害が顕在化するリスクはゼロではありません。
そのため、外付けHDDやクラウドストレージへ重要データを複製してから作業を始めましょう。
特にビジネス用パソコンや卒業論文を抱える学生のMacは、データが失われた際の影響が大きいため念入りな対策が必要です。
Windowsでの具体的なシステムファイルチェック手順
ステップ1 : SFCでシステム整合性を確認
スタートメニューの検索ボックスにcmdと入力し、「管理者として実行」を選択します。
次のコマンドを入力しEnterキーを押してください。
sfc /scannow
スキャンは環境によって10〜30分程度かかります。
完了後に「Windows Resource Protection found corrupt files and successfully repaired them」と表示されれば修復成功です。
ステップ2 : DISMでコンポーネントストアを修復
SFCで解決しない場合、以下のコマンドを順に実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
2024年3月のTechRepublicレポートでは、DISM実行後にSFCを再度実行することで成功率が上がると報告されています。
ステップ3 : chkdskでディスク全体を検査
物理セクタの不良が疑われるときはコマンドプロンプトで以下を実行します。
chkdsk C: /f /r
/fは論理エラーを修復、/rは不良セクタの検出と読み取り可能な情報の回復を行うオプションです。
システムディスクを検査する際は再起動を求められるため、保存中の作業がないか必ず確認してください。
Macでのチェック方法
macOS Ventura以降では「ディスクユーティリティ」を開き、「First Aid」をクリックするだけでシステムファイルとファイルシステムの整合性を自動修復できます。
ターミナル派の方は「⌘+空白」でSpotlightを起動し、Terminalと入力してから下記コマンドを試してください。
sudo fsck -fy
パスワード入力後に検査が始まり、「FILE SYSTEM WAS MODIFIED」と表示された場合は再起動して再度実行します。
チェック後にまだ起動しない場合の対処法
1回の実行で改善しない場合は、セーフモード起動やシステムの復元ポイントからのロールバックを試す手があります。
復元ポイントがない、またはストレージ自体に重度の物理障害がある場合は、専門業者によるデータ復旧が必要になるケースもあります。
インフォムの調査では、SSDのコントローラ障害が疑われる案件の約6割がソフトウェア修復では対応できずクリーンルーム作業を要しています。
費用と期間の目安
システムファイルチェックを自力で行う場合の費用はゼロですが、ハードウェア障害を伴うデータ復旧サービスを利用すると一般的に3万円から高額なケースで数十万円まで幅があります。
作業期間は軽微な論理障害であれば即日完了も可能で、物理障害を含む場合は1〜2週間程度を見込む必要があります。
再発を防ぐための4つの習慣
1. 定期的なWindows UpdateとmacOSアップデート
最新パッチを適用することで不具合の温床となる古いシステムファイルを排除できます。
2. UPSの導入
落雷や停電による突然のシャットダウンを防ぎ、ファイル破損リスクを低減します。
3. セキュリティソフトの導入
マルウェアがシステムファイルを書き換える前に検知・隔離が可能です。
4. 定期バックアップの自動化
Windowsの「ファイル履歴」やMacの「Time Machine」をスケジュール設定し、万が一に備えましょう。
まとめ
システムファイルの破損は突発的に発生しますが、適切なバックアップとチェック手順を知っていれば深刻なトラブルへ発展する前に対処できます。
SFC・DISM・chkdskを組み合わせたWindowsの総合的なシステムファイルチェック、ならびにMacのFirst Aidやfsckは2024年現在も最も信頼できる基本手段です。
作業に不安がある、あるいは物理障害が疑われる場合は、インフォムのような専門業者に相談し、安全かつ確実にデータを守りましょう。
この記事があなたのパソコン復旧とトラブル再発防止に役立つことを願っています。