作業中にパソコンが突然フリーズしてマウスもキーボードも反応しない——そんな経験は誰にでもあります。

オンライン会議中や資料作成中に画面が固まると、業務が止まるだけでなく、大切なデータが消えてしまうのではと不安になります。

本記事では、ノートパソコンやデスクトップ、さらには最新のMacにも共通する「フリーズの主な原因」と「今日からできる対処法」を体系的に解説します。

2024年春のWindows11大型アップデート後に報告が増えたハードウェア互換性トラブルや、M3チップ搭載Macで見られるアプリ競合など最新情報も反映しました。

読み終える頃には、緊急時の復旧手順から恒久的な予防策まで網羅的に理解できるはずです。

【緊急対応】フリーズしたときにまず試す4つの手順

1. 応答していないアプリを強制終了

Windowsなら「Ctrl+Shift+Esc」でタスクマネージャーを開き、応答なしと表示されたアプリを選択して「タスクの終了」をクリックします。

Macの場合は「Command+Option+Esc」でフリーズしたアプリを強制終了できます。

2. 周辺機器の物理切断

外付けHDDやUSBハブが不安定な電力供給を起こしているケースが2024年以降増加しています。

不要なデバイスを一度外し、パソコン単体の状態で動作確認しましょう。

3. 温度と電源をチェック

CPU温度が90℃を超えると自動的にクロックダウンし、結果としてフリーズに至る例が報告されています。

排気口のホコリを取り除き、ACアダプターが正規品かも確認してください。

4. 強制再起動は最後の手段

10秒以上の電源ボタン長押しで電源を切り、30秒ほど待ってから再投入します。

ただし、未保存データは失われるため、上記手順で回復できない場合のみ実行しましょう。

フリーズの主な原因と背景を深掘り

ハードウェア起因

・メモリ不足:Chromeなどメモリ消費の大きいブラウザを複数タブ開くと、8GBでは足りずスワップが発生。

・ストレージ劣化:SSDの総書き込み量(TBW)が限界付近になると不良ブロックが増え、OSアクセスが停滞します。

・熱暴走:2024年発売の薄型ノートパソコンは冷却スペースが減り、高負荷時にサーマルスロットリングが顕著です。

ソフトウェア・OS起因

・アップデートの不整合:Windows11バージョン23H2適用後、一部の旧GPUドライバーが互換性を欠きブラックスクリーンを誘発。

・システムファイル破損:電源断によるシャットダウンでNTFSが損傷し、起動プロセスで止まるケースがあります。

ユーザー環境・設定起因

・常駐アプリの競合:複数のセキュリティソフトが同時監視し、CPU使用率が100%に張り付く。

・拡張機能の乱立:ブラウザ拡張が10個以上あると描画ライブラリが衝突する事例がGoogle公式ブログでも言及されています。

原因別の解決策・チェックリスト

ハードウェアを点検する

1. メモリ診断ツール(Windows Memory Diagnostic、Apple Diagnostics)でエラー有無を確認。

2. SSDの健康状態を「CrystalDiskInfo」や「Smartmontools」で読み取り、代替処理済みセクタが増えていないか見る。

3. ノートパソコンの場合、冷却用ファンをエアダスターで清掃し、CPUグリスを2年に一度交換すると効果的です。

ソフトウェアをアップデート・修復

1. デバイスマネージャーから最新ドライバーを手動インストール。

2. システムファイルチェッカー「sfc /scannow」で破損を自動修復。

3. Macなら「セーフモード」起動でキャッシュクリアし、フリーズ再発の有無を検証します。

アプリ競合を減らす

1. セキュリティソフトは1製品に絞り、Windows Defenderか市販ソフトのどちらかを残す。

2. ブラウザ拡張を使用頻度順に整理し、不要なものは無効化。

データ復旧や修理にかかる費用と期間の目安

インフォムの過去案件では、軽症のソフトウェア修復であれば即日〜2営業日、部品交換を伴う場合は1週間程度が平均です。

費用は症状・機種で変動しますが、一般的にフリーズ修理は3万円程度から、データ復旧を追加すると5万円以上になることもあります。

他社を含む国内主要4社の料金を当社調べで比較すると、大きな差が出るのはストレージ交換の部品代でした。

保証期間内やメーカーリコール対象でないかも併せて確認しておくと、不要な出費を抑えられます。

【2024年の最新トレンド】クラウドバックアップでリスク軽減

Microsoft 365の「OneDriveバックアップ」やAppleの「iCloud Drive」は、大容量ファイルのリアルタイム保存が可能になり、フリーズによるデータ損失リスクをほぼゼロにできます。

特に動画編集など大容量データを扱うクリエイターは、ローカルSSDとクラウドの二重化を検討しましょう。

まとめ:原因を切り分けて計画的に対処しよう

パソコンのフリーズは、ハードウェア・ソフトウェア・ユーザー設定のいずれか、もしくは複合的な要因で起こります。

まずは強制終了せずに応答していないアプリを閉じ、温度や周辺機器をチェックするなど基本の手順で被害を最小化しましょう。

原因を切り分ける際はメモリ診断やSSDのSMART情報など定量的なデータが重要です。

それでも解決しない場合は、信頼できる修理業者に相談し、データ復旧の可否や概算費用を事前に確認すると安心です。

本記事を参考に、日頃からバックアップとメンテナンスを習慣化し、突然のフリーズにも落ち着いて対応できる環境を整えてください。